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音楽スタジオにあるミキサーの正しい使い方
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音楽スタジオにあるミキサーの正しい使い方

リハーサルでご利用の皆さんは使用する機会の多いPAミキサーについてです。

ここではPAというより、「練習しやすい環境にするためのミキサーの扱い方」についての第一歩として、基本的なことを説明します。

わたくしもよくスタジオ店頭で聞かれる内容です。

ボーカルやキーボードで主に使用される

大規模なコンサートなどでは、ギターアンプやドラムにそれぞれマイクを立てて、全体の音量バランスをとるために使用しますが、リハスタではそこまでたくさんの入力はありません。

現代のほとんどのバンド形式では生声のままだとギターアンプやドラムに負けてしまうため、ミキサーやアンプを通してスピーカーから出します。

よく出てくる用語解説

さまざまな機能や用語があります。

フェーダー

音を上げ下げするためのスライドボリューム。

GAIN(ゲイン)

各種、音響機器からの入力信号をミキサーで扱いやすいレベルに前処理するのがゲインです。

PAN(パン)

左スピーカーと右スピーカーの音バランスを変化させ、音の定位を調整するのがパンです。

AUX(オックス・オグジュアリー)

Auxiliary(補助・予備)の略で、ミキサーの各チャンネルに入力された音を分岐させるための機能です。

MUTE(ミュート)

無音にする機能です。

EFFECT(エフェクト)

音を加工できます。

EQ(イコライザー)

ある周波数帯(高さ)の音を増幅(ブースト)、あるいは減衰(カット)させるもの。

High(高い音)→Low(低い音)です。

ハウリング

スピーカーから出た音をマイクが拾い、それをまたスピーカーが再生するということを繰り返し大きな騒音が連続して発生する現象。

「キーン」や「ブーン」となる現象です。

1分で分かる!これでスゴ音!リハスタにあるミキサーの正しい使い方

どのメーカーでも共通してることです。

セッティング順に紹介します。

マイクやケーブルなどの結線を確認する

wiring

https://www.pexels.com/

使用したいマイクや機器が繫がってるか確認し、音を出す環境をつくります。

もちろんスピーカーやパワーアンプ(ミキサーに内蔵の場合もある)も繫がってるかを確認します。

スタジオではマイクからミキサー、ミキサーからL-Rのスピーカーに繫がってることが多いと思います。

各フェーダーを下げ、電源を入れる

powerswitch

https://pixabay.com/

フェーダーを上げたまま電源入れると「ボンッ」と大きな音が発生し、故障の原因になることもあります。

マスターフェーダーを0dBまで上げる

master0db

https://unsplash.com/

音を出す前に、まず一番右の赤いフェーダーのマスターフェーダーを上げ、混ざった音の最終出口を開門します。

ここで注意したいのが、マスターフェーダーの位置は「0dB」に合わすということです。

多くのミキサーは0dB以上上げると音が歪んだり、パワーアンプやスピーカーへの負担が大きくなってしまうことが多いので、0dBで合わせます。※この時まだ音は出ません。

チャンネルに「音」を入力する

peaklamp

https://pixabay.com/

マイクの音をミキサーのチャンネルに入力します。

マイクが繫がってるチャンネルの上部にあるGAINツマミをまわしながら、ソースの最大入力時にピークランプが一瞬点灯するくらいまで上げます。※この時まだ音は出ません。

チャンネルフェーダーを上げる

audioin

https://unsplash.com/

マスターフェーダー同様、「0dB」に合わせます。

ハウリングを起こしそうなら、一つ前の段階に戻ってGAINのツマミを少し下げてみてください。

マイクを数本使用する場合は音量バランスをこれでとってみてください。※ここで初めて音が出ます。

グラフィックイコライザーを使う

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https://images-na.ssl-images-amazon.com/

リハスタのミキサーには、簡易なグラフィックイコライザーが搭載されていることが多いです。

グラフィックイコライザーは周波数帯ごとに音量が調整できるエフェクターで、全体の音質調整やハウリング防止に役立ちます。

特に使用しなくても問題ない状況なら使用する必要はありません。

ハウリング予防方法の一つとして、GAINツマミをわざとハウリングを起こす手前の音量まで上げておいて、周波数ツマミを一つずつ上げ下げしていくことで、ハウリングが起きるポイントを見つける方法があります。

※ハウリングは耳や音響機材を傷める恐れがありますので、音量には十分注意してください。

「キーン」という音でハウリングすれば高音域側をカット、「ピー」という音であれば中域付近を、「ブーン」であれば低音域側をカット、という感じで最初はざっくりでもいいのでハウリングの音とツマミを対応させていけば感覚的にわかってきます。

これでハウリングを気にせずしっかりとした音量でマイクの音を出せます。

ここに気をつけたい!

!

http://icon-rainbow.com/

機能を覚えながら操作する

毎回のリハーサルで機能を分からないままにしておいては練習のクオリティも上がりません。

ボーカルの人が使用することが多いので、他の楽器パートがセッティングしてる間に素早くチェックしたいですね。

分からなかったらスタジオのスタッフにも聞いて、覚えるように心がけましょう。

人の声は、250Hz~4kHzの範囲にある

声だけで使用する場合は、むやみにイコライザーをいじり人の声の成分以外の音(周波数)をブーストしたりすると逆に声の抜けが悪くなったり、聴こえづらかったりします。

チャンネルのLOWカットスイッチなどで余分な低音はカットできるので、ぜひ使ってみてください。

ざっくりですが、参考になれば幸いです。

正しく使用して、どんどん慣れていって、リハーサルを成功させてくださいね。

そして分からなかったらスタッフまで聞いてください。

ライタープロフィール

中尾きんや

スタジオラグ

中尾きんや

スタジオラグスタッフ

ウェブサイト:https://www.studiorag.com

Twitter:kin_kinya

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