僕が路上ライブで100人集めた方法
自分の音楽を少しでも多くの人に聴いてもらいたい、という想いで路上ライブをしているバンドマン・ソロシンガーは多いでしょう。
僕らの活動も路上ライブが中心。
毎回、どうしたら人を立ち止まらせることができるか、頭を悩ませています。
そして試行錯誤した結果、最高で100人くらいの人の足を止められるようになりました。
もちろん、一度に100人が立ち止まるわけではありません。
60分の路上ライブを通して100人くらいということです。
それでも、この結果は自信になっています。
そこで、今回は路上ライブでぼくたちが行った工夫についてお話したいと思います。
もくじ
路上ライブのメリット
そもそも路上ライブのメリットとは何か。
昔は毎月4回ライブハウスでライブをやっていましたが、今は一切やっていません。
それは、ライブハウスに比べて路上ライブの方がメリットが多いからです。
ノルマがない
まず、路上ライブにはノルマがない。
ライブハウスの出演にはノルマというものがあって、いくらか出演料を払わなければいけない。
その出演料の元を取るには、ライブハウスによってもさまざまだが、大体10くらいは集客できなければいけない。
たった10人ではありますが、アマチュアバンドで10人集客するのはそんなに簡単ではない。
特にぼくらのような社会人バンドは、そもそもの活動頻度が低いのでなおさら難しい。
しかも、他のバンドも大体同じ状況である。
集客力のあるバンドのおこぼれに与りたいところだが、集客力のあるバンドと一緒に対バンするには、自分たち自身に集客力がなければいけない。
結果、人がほとんどいない中でライブをすることになる。
それなのに、ノルマでお金はなくなる……しかし、路上ライブにはノルマがない。
バンド活動はお金がかかるので、これはうれしいことなのです。
不特定多数の人に音楽を聞いてもらえる
また、路上ライブは不特定多数の人に音楽を聞いてもらえるというメリットがある。
ライブハウスでライブをしても、ライブハウスに来ている人にしか音楽を聞かせられない。
この点、路上ライブは一気に多くの人にアプローチができる。
自分たちの音楽に興味を持っている人が偶然そばを通りすぎてくれれば、立ち止まって聞いてくれるのです。
路上ライブで100人集めた方法
では、次に路上ライブでぼくたちが100人集めることができた方法についてお話します。
路上ライブをやるからには多くの人に音楽を知ってもらいたい。
立ち止まってくれた人数というのは、自分たちの音楽に少しでも興味を持ってくれた人の数を意味するので、ぼくたちにとっては大きな意味がある。
だからこそ、常に試行錯誤して、できるだけ多くの人に興味を持ってもらえるように工夫をしている。
とにかく目立つ格好をする
まず、ぼくたちが重視したのは、視覚的なインパクト。
街中で歩いている人は、皆んな目的地があって歩いている。
余程のことがない限り、まず立ち止まらない。
そのため、自分が向かっている目的地以上の関心を惹かなければいけないのです。
そこで、格好から入ることにしました。
街中にいたら絶対に振り向くような格好をすることにしたのです。
馬鹿にされることもあるだろうけど、無関心よりはマシということで、とにかく目立つ格好をしました。
音楽だけで振り向かせられるのが一番ですが、そうなると競合はみんなのiPhoneに入っているミスチルとかになる……それは分が悪い。
外国人観光客を狙う
目立つ格好をする上で、特に意識したのは外国人観光客。
観光に来てる外国人の方は、とにかく写真が大好き。
常に写真を撮る対象を探している。
であれば、観光客が喜びそうな格好は何か。
日本だから和装でしょ。
ということで、和装することに。
それに、外国人観光客は日本人と比べて路上ライブに慣れ親しんでいる。
そのため、少しでも気にってくれると、割りと長時間立ち止まってくれる。
そして、人が集まる場所には、さらに人が寄ってくる。
人が人を呼ぶ循環に入ると、絶え間なく人が寄ってくる。
盛り上がっている感を演出するために、比較的立ち止まるハードルの低い外国人観光客を狙ったのはこういう訳です。
暇をもてあます時間帯を狙う
時間帯も大事。
人が忙しくしている時間帯は絶対に避けるべき。
まず15時くらいまでの時間帯は、道行く人の予定が大体決まっている。
友達とランチとか。
そうなると、路上ライブに付き合っている時間なんかはない。
暇をもてあますのは、一通り遊びつくしてからの時間帯。
そうなると、15時以降がいい。
ちょうどやることがなくなっている時間帯に暇つぶしを提供するのが大事。
暑い時間帯を避ける
さらに、暑い時間帯も避けるべき。
特に、夏。
真昼間の中で路上ライブをすると、とてもじゃないが立ち止まって聞くなんてことはできない。
汗がダラダラ、日差しがサンサン。
だから、日が落ちてくる時間帯がベスト。
季節に合わせて時間帯を決めましょう。
パネルを出す
自分たちが何者であるか自己紹介するためには、パネルが有効です。
大きく自分たちのバンド名を書いておけば、名前を覚えてくれる。
そして、後で検索してくれるかもしれない。
ついでにTwitter・Instagramのアカウント名を書いておけばフォローもしてくれるかもしれない。
さらに、パネルを置いておくと「ちゃんとしたバンド」に見えるという利点もある。
ふざけた格好をしているだけに、これは意外と大事。
ちゃんと活動しているということが伝われば、真面目に聞いてやろうという気持ちになるかもしれない。
無料CDを配布する
路上ライブをやる目的は、自分たちの音楽を好きになってもらうこと。
そのためには、普段から自分たちの音楽を聞いてもらうのがベスト。
そこで、ぼくたちは無料CDを配布しています。
iTunesでは有料配信しているが、路上ライブでちょっと聞いただけでは購入までのハードルはまだ高い。
だから、まずはお試しということで無料CDを聞いてもらうのです。
それにCDを家で聞いて気に入ってもらえれば、また路上ライブに足を運んでもらえることもある。
だから、無料CDは大事。
ティッシュ配りをする
ぼくたちは無料CDをラックに置いて「Take Free」という形にしています。
お客さんが自由に取っていける形式です。
でも、あくまで自由に取ってもらうという形式は受け身です。
ということで、積極的にお客さんにアプローチする方法として、ティッシュ配りも導入しています。
毎回スタッフが路上ライブ中に配ってくれます。
ティッシュには、ぼくたちのコンセプトとTwitterアカウント・サイトURL・告知情報を掲載しています。
これも、後でぼくたちのことを検索しやすいようにするためです。
真面目に演奏する
最後に、真面目に演奏すること。
どんなに目立つための工夫をしても、音楽自体に魅力がなければ意味はない。
そのため、ぼくたちは音楽ではふざけません。
音楽でふざけて立ち止まってもらえても、本末転倒。
自分たちが届けたいと思っている音楽を真面目に演奏することが一番重要なのです。
ライタープロフィール
週末ミュージシャン
Onkui
Onkuiはバンドではなく、ǽを中心とした”音楽で食いたい”者たちによる集合体です。
“音楽で食いたい”とは、人によって意味するところが異なります。
「演奏者として食いたい」「作曲者として食いたい」「アレンジャーとして食いたい」「ミキシングエンジニアとして食いたい」「プロモーターとして食いたい」など様々です。
しかし、共通しているのは音楽と関わりを持っていたいという点です。
Onkuiに参加するメンバーも、それぞれ音楽への関わり方が異なります。
そのため、メンバーは流動的であり、固定されていません。
それぞれが自分なりの関わり方でOnkuiに参加しています。
Twitter:onkuio
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCOmqC7SLkTPGJRulWf1A8Gg