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ライブで高い集中力を発揮する、一か八かの方法
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ライブで高い集中力を発揮する、一か八かの方法

スポーツと同じく、バンドマンのライブにおいても、ライブ中の「集中力」がそのライブの出来を大きく左右すると思います。

もちろん、スポーツにおけるトレーニングと同じく、十分なリハーサルを重ねることが、その準備として必須となってきます。

しかし時として、十分なリハもできないまま、逆境でライブをしなければならないシチュエーションも、長いバンド活動の中では出てくるのではないでしょうか?

今回は私の経験も含めそんな時に、高い集中力を発揮する方法を考えてみたいと思います。

高いハードル

先日、私は自身のバンドで約1年ぶりくらいにライブを行いました。

割と直前に出演決まったことと、バンドメンバーが他のバンドやサポートで忙しいことがあり、予定を擦り合せると2回しかリハができませんでした。

にもかかわらず、私はどうしてもそのライブで演奏したい新曲が4曲ありました。

また、よくよく確認してみると、ライブ当日のライブハウスでのリハにもメンバーが間に合わず、ぶっつけ本番でやらなければならないことも判明。

まとめると、

ブッキングの時点で、かなりハードル高いなと、若干後悔しました(笑)。

ひとまず新曲のデモ音源と譜面を書いてメンバーに渡し、私も個人練習に勤しみました。

ライブ前日

ギター&ヴォーカルである私は前日はなるべく喉を休ませておきたかったのですが、2回のリハのうち1回がこの日しか取れなかったので、やむなく前日深夜リハを入れました。

メンバーも大体曲を形にしてくれ、これなら崩壊せずにはいけるかな、というところまでは出来たかとは思います。

私もこの日は喉の調子もよく、前日ということを忘れて思わず全力で歌ってしまいました。それが翌日後悔することになるのですが。。

ライブ当日

前日に歌い過ぎたのか、風邪の菌でももらったのか、ライブ当日は喉がガラガラ。。

のど飴や喉スプレー、龍角散などを喉に流しつつ「これで果たして届く声として歌えるのか?一番高音の声は出るのか?」全くもって不安だったのですが、ライブの時間は刻一刻と迫ってきます。

逃げる訳にもいかないので、「やるしかない!」覚悟を決めてステージへ。

いざ始まってみると、最初はメンバーの音の大きさや回り込んで聴こえてくる外音のリバーブ感に若干戸惑いつつも、必死にメロディラインを探ります。

腹式呼吸を意識しつつ、この時一気に集中力が高まったのだと思います。

お世辞にもうまいなど言えない私の歌ですが、はっきりラインを聴き分けることができ、私としてはあまりピッチを外さず歌うことができました。

そして驚いたことに、心配していた喉が潤い、かれることもなく高音箇所もちゃんと出たのです。

リハでは1時間に500mlのペットボトル水を1本飲む程普段は喉が渇くのですが、なぜか喉に乾きを感じることもなく、普段リハでは出ないビブラートなんかも少しかけられるくらい、喉を、体をコントロールすることが出来ました。

もう一つ体の変化で驚いたのが、普段汗はほとんどかかない方なのですが、何故だか大量に汗をかきました。

途中から半袖Tシャツ1枚になったのですが、それでも目に汗が入ってくるくらい、お風呂に30分くらいつかった程の量の汗が吹き出していました。

結果として

100%完璧なライブができたとは言えませんが、大きな事故はなく、また私も想定よりはマシに歌うことができました。

ライブが終わってから、なぜあれだけ集中することが出来たのか、振り返ってみたところ、以下の要因があったように思います。

個人練習

Beta57A

バンドでのリハは2回しかできませんでしたが、ライブ前の2週間は毎日のように1~2時間個人練習をしました。

多分人生で一番個人練習をした時期だったのではないでしょうか?曲を覚える、歌えるようになることが目的でしたが、結果として体がある程度覚えてくれて、慣れないモニター環境でもコントロールできたように思います。

「これだけ個人練習したんやし!」というのも、心の支えにはなった気はします。

腹式呼吸

複式呼吸

http://www.seishin-chosokuho.net/web-fukushiki.html

最近ようやく腹式呼吸のやり方が分り、そこはずっと意識して歌いました。

腹式呼吸によるリラックス効果でしょうか、演奏による昂りを感じつつも、常に冷静に体をコントロールしたり次の構成や歌詞を考えられたように思います。

ヴォーカリストのみならず、リラックスできるのでメンバー全員腹式呼吸をするのもありではないでしょうか。

逆境

逆境

http://kokucheese.com/event/index/123812/

これは決しておススメは出来ない方法かも知れませんが、今回リハや新曲、喉の嗄れなどでかなりハードルが高いライブであした。その分、本番に対する集中力はメンバーも含め高かったと思います。

十分なリハーサルを重ねて万全の状態でライブに臨むことがベストだとは思いますが、不安要素、特に私の場合は「嗄れた喉で歌えるのか?」という不安要素があったことで、集中力は高まったのではないかと思いました。

あえて「不安な要素を残して」ライブをしてみることは、高い集中力を生み出す方法なのかも知れません。

しかし、失敗したら目も当てられない諸刃の剣ですので、実際の使用は自己責任でお願いします(笑)。

届けたいという強い意志

意志

http://www.lifehacker.jp/2011/08/110808_willpower-brain-exercise.html

そのような状況でもあえてその日にライブをしたのは、ある人に曲を書いてライブで歌って届けたい、そういう強い意志がありました。

結局これが一番大きいのかも知れませんが、特に歌い手は「誰かに届けたい・伝えたい」という思いで歌うことが大事なのだということは、新たな発見でした。

最後に

それらが要因だったか、完全に定かという訳ではありませんが、いつものライブよりは高い集中力を持って臨めたのは事実でした。

そしてそのおまけとして、大量の汗が噴出しました(笑)。

本当に大量の汗だったようでかなりの老廃物が排出されたのか、ライブ翌日の私の肌は、温泉に入った後のようにスベスベになるという現象までついてきました♪

ライタープロフィール

平田 浩康

ライブスポットラグ

平田 浩康

Live Spot RAGの平田浩康です。

15歳の時、音楽特にロックのカッコ良さに痺れギターとバンドを始めました。

生まれ故郷の高知県は、ライブハウスやコンサート会場も少なく生の音楽に触れる機会が少ない、当時は情報源も雑誌やCD、VHSビデオ(!?)という時代でしたが、音楽というとてもキラキラしたものに魅了され、勉強そっちのけでギターと音楽を楽しむ毎日でした。

大学進学から京都に移住し、大学では軽音楽部を卒業(笑)。

それまでは邦楽ロックや洋楽ハードロックを中心に聴いていましたが、先輩や同期から世の中にはもっとたくさんの音楽があることを知らされ、今では「いいな」と思えるものはジャンル隔てなく聴いております。

大学卒業後にRAGに入社、約6年のオフィスや約10年の音楽スタジオを経て、現在は創業39年の老舗Live Spot RAGにて勤務、主にプロモーション業務を担当しております。

日本トップミュージシャン達が奏でる「本物の音楽」に触れ、お客様に届けることで、あらためて音楽の煌めきを実感する日々です。

今でもギター、バンドはゆるく継続しており近年は今更ながら歌も歌ってみたりしています。

もうすっかりおっさんになってはしまいましたが、あの頃「音楽に描いた夢の向こう側」を、今後もみなさんと追っていければと思っています。

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